就業規則作成上の注意点

在宅勤務を導入するにあたり、子の養育などの理由からある一定期間のみ在宅勤務を認め就労させる場合には、元々の就業規則がある会社はそれを適用し、足りない事項については個別の労働契約書や労働条件通知書等にて就業条件などを記入し書面にて労働者と契約を交わせばそれでも良いと思います。

しかし、在宅勤務を本格的に会社全体に適用しようとする場合には、本来の就業規則の他に別規則として「在宅勤務規程」などを作成された方が良いと思います。

「在宅勤務規程」を作成する場合の注意点としましては、まず、社内にて現状の組織風土や各種規程類を分析、把握するためプロジェクトチームを社内にてつくり、当社にとって在宅勤務ができる仕事があるのかどうか、対象者は誰にするのか、全社員可能なのか、育児・介護などの理由があるものだけなのか、「完全在宅」と「部分在宅」のいずれにするのか、両方とも認めるのか否か賃金制度を変更するのか等、十分納得に行くまで協議する必要があります。

「在宅勤務規程」を作成する場合の注意点としては、制度の目的、制度の内容、対象者、 勤務条件(労働時間、休日等)、情報セキュリティーについて、業務遂行に関する留意点(作業環境を含む)、費用の負担、給与等について、定めたほうが良いと思います。

また、在宅勤務に係る通信費や情報通信機器等の費用負担については、トラブル防止のためにもあらかじめ労使で十分に話合い、「在宅勤務規程」において定めておく必要があります。その他、教育訓練について定めをする場合にはその事項についても「在宅勤務規程」において定めておく必要があります。

在宅勤務を行うに当たっての労働者の自律
会社が在宅勤務制度を導入する場合、在宅勤務を行う労働者自身についても、その労働者の業務経験や性格、自宅の環境等で在宅勤務に向き不向きがあります。在宅勤務においては通勤時間や住宅環境(仕事ができる環境があるのか)、同居人との関係(自宅にて仕事をすることに家族は協力的なのか)などの個人的な事情とともに本人の性格や仕事の取組み姿勢が大いに関係しますし、通常のオフィスで働くよりも高い業務遂行能力や自己管理能力が必要となります。

従って、単独で仕事ができない、職務経験が浅い、在宅勤務を希望しない、自宅に適切な仕事をする環境を確保できないなどの労働者には、在宅勤務を適用しないほうが良いと思われます。そして何よりも私生活と業務が混在する在宅勤務にはその時間管理、健康管理を含め、高い自己管理能力が求められますのでそれができない労働者には、後々トラブルにもなりますので、やはり在宅勤務を適用しないほうが良いと思われます。

在宅勤務を行う労働者にも、勤務する時間帯や自らの健康に十分注意を払い、作業能率を勘案して自律的に業務をすることが求められます。

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